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関西電力の本店が入るビル=2019年10月、大阪市北区、茶井祐輝撮影

 関西電力の子会社で、環境調査などを業務とするKANSOテクノス(大阪市)は2日、環境省から受託した業務で、受託を始めた2008年度から経費を水増ししていたと発表した。遅くとも11年度から委託費の上限となるように人件費などを細工。過大請求額は書類で確認できた17~23年度で2億3千万円を超える。また、13年度からは同省の承認を得ないまま、業務の一部を他の会社に再委託していた。責任を取り、岡田達志社長の月額報酬を3カ月間、20%減額するなど役員3人を処分する。

 24年4月に関電の社外コンプライアンス窓口に通報があり、弁護士がテクノスの社員に聞き取りなどをした。

 調査報告書の内容によると、対象となった事業は、二酸化炭素を回収して地中などに貯蔵する技術(CCS)に関する環境省の受託事業。受託を始めた08年度から実際にかかった費用より多い金額を同省に請求した。

 同社内で書類が残る17~23年度で計約2億3千万円を過大に請求していた。16年度以前は書類が残っていないため、どれほど水増しをしていたかは分からないという。担当者は「社内の部や支店の利益を確保するために行為に及んでいた」と話す。今後、水増し分の返還について同省と協議する。社内の組織風土改革に取り組むとする。

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